はじめに
グラフィックボードを買い替えるときに気になるのは、「価格に見合った性能があるのか?」「今の世代でどれを選べば失敗しないのか?」という点ですよね。2025年に登場した GeForce RTX 5060(以下、5060) は、ミドルクラスを担う最新モデルとして注目を集めています。
前世代の4060からどう進化したのか、VRAMが8GBという仕様は実用的なのか、さらにPCIe 5.0対応によって体感できるメリットはあるのか——。この記事では、そんな疑問に答えるべく 実機レビューとベンチマーク結果 をもとに詳しく解説していきます。
対象となるのは、以下のような方々です。
- 「3060や4060からの買い替えを検討している」
- 「5〜6万円台でコスパの良いグラボを探している」
- 「フルHDのゲームを快適に遊びたい」
- 「BTOや自作PCに静音性の高いGPUを組み込みたい」
このレビューを読めば、5060があなたの用途に合うのか、あるいはもう少し上位モデルを狙ったほうが良いのか、判断できるようになります。それでは、スペックの概要から順に見ていきましょう。
GeForce RTX 5060のスペック概要
まずは基本的なスペックから確認しておきましょう。RTX 5060は、NVIDIAが2025年に投入した最新のミドルクラスGPUです。前世代の4060と価格帯はほぼ変わらないものの、細かな点で進化と課題が見えてきます。
| 項目 | RTX 5060 | RTX 4060 | RTX 4060 Ti |
|---|---|---|---|
| CUDAコア数 | わずかに増加 | – | – |
| ビデオメモリ (VRAM) | 8GB GDDR6 | 8GB | 8GB |
| メモリバス | 128bit | 128bit | 128bit |
| 接続規格 | PCIe 5.0 x8 | PCIe 4.0 x8 | PCIe 4.0 x8 |
| 消費電力 (TGP) | 約140W | 約115W | 約140W |
| 推奨電源容量 | 550W | 450W | 550W |
| 補助電源 | 8ピン ×1 | 8ピン ×1 | 8ピン ×1 |
| 国内価格帯 | 5〜6万円前後 | 発売当初 5〜6万円 | 6〜7万円 |
ポイントを整理すると——
- VRAM容量は8GBのまま据え置き
→ 重たい最新ゲームではボトルネックになり得る点。 - PCIe 5.0対応
→ VRAM不足時のメモリ補完では差が出る可能性。 - 消費電力は増加
→ 4060と比べるとワットパフォーマンスはやや劣る。 - 価格帯は5〜6万円台
→ 4060と同等の価格感。今後は4万円台まで下がる見込みもあり。

一見すると「大きな進化はない」と思われがちですが、次世代向けのフレーム生成やPCIe 5.0対応によって、実際のゲームプレイでは確かな違いが出る場面があります。
外観・物理的特徴と組み込みやすさ
RTX 5060は、2スロット占有のツインファンモデルが基本形。サイズは比較的コンパクトで、小型ケースや省スペース志向の自作PCにも組み込みやすいのが特徴です。
主な物理的特徴
- 冷却ファン: デュアルファン仕様で、低負荷時はファンが完全に停止する「セミファンレス設計」。アイドル時は静音性が高く、普段使いではほぼ無音に近い動作が期待できます。
- 補助電源: 8ピンコネクタを1本だけ使用。一般的な電源ユニットで対応可能ですが、コネクタ位置がやや左に寄っているため、配線時にケーブルが取り回しづらいケースがあります。
- LEDライティング: ゲーマー向けの派手なRGBライティングは非搭載。シンプルで落ち着いた外観なので、光らない構成を好むユーザーにはむしろプラス。
- PCIe端子の変更点: 5060では接続端子が短くなり、ロック機構が廃止されています。これによりBTOメーカーでは、輸送中にカードが外れるリスクがあり「扱いづらい」という声も出ています。自作の場合も、取り付け後にしっかり固定しておくことが重要です。
組み込みやすさのポイント
コンパクトな筐体で扱いやすい一方、PCIeロック機構がなくなった点は注意点です。BTOパソコンを検討している場合、フロンティアやサイコムのようなBTOメーカーでは出荷時にしっかり固定対策をしてくれるため、安心感があります。
冷却性能と静音性
グラフィックボードを選ぶ際に、性能と同じくらい大事なのが冷却性能と静音性です。RTX 5060はこの点で意外と優秀な結果を見せました。
冷却性能
普段のネットや動画視聴、軽いゲームなど低負荷時にはセミファンレス機能が働き、ファンが完全に停止します。そのため、アイドル時は「本当に動いてる?」と思うほど静か。
高負荷時でも温度は安定しており、ケース内のエアフローがしっかりしていれば特に心配する必要はありません。
ただし1点注意したいのが、バックプレートの一部ネジが熱を持つこと。触れると熱いレベルになるため、上にケーブルや物を置くのは避けた方が安全です。
静音性
高負荷時にファンが回転しても、騒音は非常に控えめ。前世代の4060シングルファンモデルと比べても明らかに静かで、「思ったより耳に優しい」という印象です。
PCを静音志向で組みたい人や、深夜にゲームを楽しむ人にとってはかなり嬉しいポイントでしょう。
ベンチマーク
RTX 5060の実力を測るために、定番ベンチマークソフトと複数の人気ゲームタイトルで検証しました。結果として、4060からの確かな進化と、4060 Tiに肉薄する性能が確認できました。
3DMarkでの基本性能
- Speed Way:4060を大きく上回り、4060 Tiをわずかに超えるスコア。
- Steel Nomad:同様に4060 Tiを上回る結果。
→ 単純なGPUパワーでは、5060が4060 Tiクラスに迫ることが分かります。
ゲーム別パフォーマンス
- FF14(最高画質)
- フルHD・WQHDでは4060 Ti超え。
- 4Kでは60fpsを超えるものの、快適プレイにはやや厳しい。
- Monster Hunter Wilds(高画質)
- フレーム生成オフ:4060 Tiと同等。
- フレーム生成オン:フルHDで約90fpsを維持。VRAM 8GBに収まる設定なら十分快適。
- Cyberpunk 2077(フルHD・最高設定・DLSSクオリティ)
- フレーム生成オフ:平均60fps未満。
- フレーム生成オン:VRAM不足で不安定 → 画質を少し落とせば快適に動作。
- 黒神話悟空(フルHD)
- マルチフレーム生成対応タイトル。
- 5060は4060 Tiを大きく上回るフレームレートを記録。
- Assassin’s Creed Shadows(フルHD)
- フレーム生成オフ:4060 Tiと同等。
- フレーム生成オン:わずかに劣る。
- Star Wars Outlaws
- マルチフレーム生成対応。
- WQHDでも快適に動作する良好な結果。
- Marvel Rivals(フルHD・最高画質)
- フレーム生成オフ:4060 Tiと同等。
- フレーム生成オン:フレームレートが大幅に伸びるが、遅延が気になる人は設定を下げる選択もあり。
- Overwatch(ウルトラ画質)
- 5060は4060 Tiをわずかに上回る結果。
シューター系ゲームの挙動
- Fortnite(パフォーマンスモード)
軽量タイトルのため、VRAM 8GBで十分。CPU性能次第でさらに高fpsも可能。 - Apex Legends(低画質設定)
ほぼ300fpsに張り付き、非常に快適。 - Valorant(フルHD・最高設定)
軽量なため極めて高fps。CPU性能がボトルネックにならない限り、5060で問題なし。
PCIe 5.0の実用性
RTX 5060は、ついにPCI Express 5.0に対応した最初のミドルクラスGPUです。とはいえ「本当に体感できる差があるのか?」という疑問は多いですよね。実際に複数のゲームで検証した結果をまとめます。
体感差がほとんどないケース
- Monster Hunter Wilds
→ PCIe 4.0と5.0のスコア差は誤差レベル。体感できる違いはほぼなし。 - シューター系(ApexやValorant)
→ 軽量タイトルではPCIe帯域がボトルネックになることはなく、違いはゼロに近い。
明確な差が出たケース
- Cyberpunk 2077(最高画質)
→ VRAM不足時にPCIe 4.0ではメインメモリからのデータ補完が遅れ、フレームレートが低下。PCIe 5.0ではその遅延が軽減され、スムーズな動作に。 - 黒神話悟空(高画質設定)
→ 同様にVRAM不足での補完動作が影響し、PCIe 5.0環境ではfpsが安定。 - Assassin’s Creed Shadows
→ 平均fpsは変わらないが、最低fpsに大きな差が発生。重い場面でのカクつきが減少。
結論
- PCIe 5.0の恩恵を受けるのは、VRAMを超えるほど重いゲーム設定をした場合のみ。
- フルHDやWQHDで適切に画質を調整すれば、PCIe 4.0でも実用上の問題はありません。
- 将来的にVRAM消費がさらに大きいゲームが主流になれば、PCIe 5.0の価値が活きてくるでしょう。
消費電力とワットパフォーマンス
RTX 5060は性能が向上した一方で、消費電力は増加しています。実際のゲームプレイやベンチマークでの挙動を整理しました。
実測値と電源要件
- ゲーム実行中のGPU消費電力は平均140W前後。
- これは4060より増加していますが、4060 Tiと同程度。
- NVIDIA公式の推奨電源容量は550W。ミドルクラスPCなら十分対応可能です。
ワットパフォーマンス
- 性能自体は4060 Tiに迫るものの、ワットパフォーマンスは4060よりやや劣る結果に。
- 「電力効率」だけを見ると4060の方が優秀ですが、フレーム生成など新機能を活かした実性能は5060が上回ります。
電力制限時の挙動
- 消費電力を抑える設定を行うと、フレームレートはごくわずかしか低下せず、GPU温度も数度下がることが確認されました。
- 例:消費電力を約10%削減 → fps低下は数%以内で収まり、体感差はほぼなし。
- ただし極端に制限すると動作が不安定になる可能性があるため、あくまで「省エネ運用の一手段」としての活用が無難です。
クリエイティブ用途での性能
ゲーミング性能に注目されがちなRTX 5060ですが、動画編集や画像生成といったクリエイティブ用途でもチェックしてみました。結果としては「軽めの作業は快適、重い処理はやや物足りない」という印象です。
Photoshop
- RTX 5000シリーズでは処理のレスポンスがわずかに向上。
- ただしPhotoshopはCPU性能に依存する部分が大きいため、GPU差は限定的。
- 文字やレイヤー効果のプレビューはスムーズで、日常的な作業には十分対応可能。
Premiere Pro
- 動画編集では4060 Tiを上回るスコアを記録。
- GPU支援のエンコードやエフェクト処理が快適に動作。
- 4K編集も可能ですが、VRAMが8GBのため大規模な素材を扱う場合は調整が必要。
Blender(3DCGレンダリング)
- CUDAコア数の影響で、4060 Tiには及ばず。
- それでも中規模程度のモデルなら実用レベルでレンダリング可能。
Stable Diffusion(AI画像生成)
- テスト結果では4060 Tiが最も高速でしたが、5060でも十分な生成速度を確保。
- ただしまだ5000シリーズへの最適化が完全ではない可能性があり、今後のソフト側の対応に期待。
まとめ(クリエイティブ分野)
- 動画編集や写真加工:快適に使えるレベル
- 3DCGやAI画像生成:できるが4060 Tiに劣る
- 本格的な制作を仕事で行う場合は上位モデルを推奨、趣味レベルや副業用途なら5060で十分。
長所と短所(メリット・デメリットまとめ)
RTX 5060を実際に使ってみて感じたポイントを、良い面と気になる点に分けて整理します。
✅ 長所(メリット)
- 4060 Tiに迫る性能
→ フレーム生成対応ゲームでは、4060 Tiを上回るケースもあり。 - 価格は4060とほぼ同じ
→ 同等の予算で、より高いパフォーマンスを得られる。 - 静音性が優秀
→ デュアルファン+セミファンレス設計で、負荷が高くても耳に優しい。 - コンパクトなサイズ感
→ 小型ケースや省スペース環境にも組み込みやすい。 - PCIe 5.0対応
→ VRAM不足時の補完で差が出る。将来性もあり。 - 発熱が少ない
→ 高負荷でも温度は安定しやすく、冷却しやすい。
⚠️ 短所(デメリット)
- VRAMが8GB止まり
→ 最新の重量級タイトルでは不足しがち。4Kや高画質設定では限界が見える。 - 消費電力が増加
→ 4060よりワットパフォーマンスは悪化。効率重視ならやや不満。 - PCIeロック機構が廃止
→ BTO出荷時や輸送時に不安あり。自作でも取り付けに注意が必要。 - クリエイティブ性能は中途半端
→ 動画編集には十分だが、3DCGやAI用途では4060 Tiに劣る。
誰におすすめか
RTX 5060は「派手さはないけれど、しっかり実用的なミドルクラスGPU」という位置づけです。選ぶべき人と、避けるべき人を整理するとわかりやすいでしょう。
こんな人におすすめ
- フルHDゲーマー
→ 重たいゲームも画質を調整すれば快適。特にフレーム生成対応タイトルではパフォーマンスが大きく伸びる。 - RTX 3060以前を使っている人
→ 明確な性能向上が得られるため、買い替えメリット大。 - 静音性を重視する人
→ デュアルファン+セミファンレス設計で高負荷時も静か。 - コンパクトなケースに組み込みたい人
→ サイズ的に扱いやすく、光らないデザインもシンプル派には好相性。
こんな人には向かない
- 4KやWQHDで最高画質を楽しみたい人
→ VRAM 8GBでは不足気味。より上位の「RTX 5070以上」が安心。 - レイトレーシングをフル設定で楽しみたい人
→ ミドルクラスでは荷が重い。高画質+高fpsを狙うなら上位モデル必須。 - 電力効率を最重視する人
→ 4060の方がワットパフォーマンスは優秀。
結論
- フルHD主体のゲーマーにとっては“4060 Ti相当の性能を手頃に得られる1枚”。
- VRAM 8GBが割り切れるかどうかが購入判断のポイント。
- 派手さや驚きはないものの、今後の定番ミドルクラスとして安定した選択肢になるでしょう。
おすすめ購入先
RTX 5060は発売直後から各ショップで取り扱いが始まっています。購入する際は「信頼できる販売店」「保証の充実」を重視するのがおすすめです。
✅ Amazonで手軽に購入
Amazonでは複数メーカーのRTX 5060搭載モデルがラインナップされています。価格変動が早いので、欲しいタイミングでチェックしておくと良いでしょう。
👉 GeForce RTX 5060 搭載モデル(Amazon)
✅ BTOパソコンでの購入も選択肢
自作に不安がある人や、冷却や電源の相性を気にせず安心して使いたい人には、BTOパソコンもおすすめです。
- FRONTIER(フロンティア):セール時のコスパが高い。
- サイコム:パーツ選択が自由で、静音重視のカスタムにも対応。
まとめ
RTX 5060は、ミドルクラスGPUとして「地味だけど堅実」という立ち位置のグラフィックボードです。
- 4060と同価格帯で、4060 Tiに迫る性能
- フルHDゲーミングで安定した快適さ
- 静音性・コンパクトさは期待以上
- ただしVRAM 8GBがネックで、4Kや重量級タイトルでは不足
結論として、フルHD環境でゲームを楽しみたい人に最適な1枚です。特に3060やそれ以前の世代からの買い替えなら、性能差をしっかり体感できるでしょう。
一方で、レイトレーシングをフル活用したい人や4Kゲーミングを想定している人は、上位モデル(5070以上)を検討する方が安心です。
今後4060の市場在庫が減っていく中で、RTX 5060は「標準的なミドルクラス」として定番の選択肢になっていくはずです。
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→ フレーム生成を活用してさらに快適にゲームを楽しみたい人向け。
よくある質問(FAQ)
- QRTX 5060のVRAM 8GBは足りる?
- A
フルHDなら多くのゲームで十分です。ただし、最新の重量級タイトルを最高画質で遊ぶ場合は不足することもあります。画質設定を少し調整したり、DLSSやフレーム生成を活用すれば快適にプレイ可能です。
- QPCIe 5.0に対応しているけど、体感差はある?
- A
軽いゲームや通常設定ではほぼ違いはありません。恩恵を感じるのは「VRAM不足でメインメモリにデータを逃がす」ような状況です。将来性を考えればプラスですが、現状はPCIe 4.0でも実用上問題ありません。
- Q電力制限をかけても大丈夫?
- A
軽い制限であれば問題ありません。消費電力を約10%下げてもフレームレート低下は数%程度で、温度も下がるため省エネ運用に向きます。ただし極端な制限は不安定要因になるので注意しましょう。
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