はじめに
ゲーミングPC用のグラフィックボードを選ぶとき、
「価格は抑えたいけど、性能で失敗したくない…」と悩む人は多いはずです。
中でも GeForce RTX 5060 Ti は要注意なモデルです。
なぜなら同じRTX 5060 Tiでも、8GB版と16GB版では実用性能に大きな差があるからです。
一見すると
「VRAMが8GBか16GBかの違いだけ」
「フルHDなら8GBでも十分そう」
と思ってしまいがちですが、実際に最新ゲームを動かしてみると、その認識は簡単に覆されます。
タイトルによってはフルHD設定でもVRAM不足が発生し、フレームレート低下やカクつきが頻発するなど、
8GB版は“性能以前の問題”に直面するケースが確認できました。
この記事では、
・RTX 5060 Ti【8GB版/16GB版】の実ゲーム検証結果
・なぜ8GB版はおすすめできないのか
・どんな人なら16GB版を選ぶべきか
を、実測ベースでわかりやすく解説します。
「これからゲーミングPCを組みたい」
「BTOでRTX 5060 Ti搭載モデルを検討している」
そんな方が購入後に後悔しない判断ができる内容になっていますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
製品概要と基本スペック
GeForce RTX 5060 Tiは、NVIDIAの最新世代に位置付けられるミドルクラスGPUです。前世代のRTX 4060 TiからはCUDAコア数がわずかに増加し、処理性能は順当に底上げされています。ただし、基本構造は大きく変わっていないため、「正統進化」といった印象が強いモデルです。
最大の注目ポイントはやはりビデオメモリ(VRAM)容量の違いです。
- 8GB版
- 16GB版
の2種類が存在し、価格も性能も大きく差が出る要因になっています。
実際の販売モデルはこちら:
- GIGABYTE NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 搭載 グラフィックボード GDDR7 8GB
- 玄人志向 NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 搭載 グラフィックボード GDDR7 16GB
スペック概要(両モデル共通)
- アーキテクチャ: 最新世代Ada Lovelace系
- CUDAコア: RTX 4060 Tiより微増
- 消費電力: 公称180W前後(実測ではさらに控えめ)
- 補助電源: 8ピン×1
- 推奨電源容量: 600W
- インターフェース: PCIe Gen5対応
日本での価格帯
為替の影響もあり、販売価格は次のようになっています。
- 16GB版:おおよそ86,000円前後(セール時は7万円台も)
- 8GB版:おおよそ82,000円前後(最安値で7万円台前半)
価格差はわずか数千円〜1万円程度ですが、後ほど紹介するようにゲーム性能には想像以上の開きがあります。

この時点で、「価格がほぼ変わらないなら16GB版で良いのでは?」と思う方も多いはず。実際にベンチマークやゲームでの動作検証をしてみると、その直感が正しかったことがはっきりと分かります。
外観・冷却・静音性の違い
RTX 5060 Tiは、同じGPUでもメーカーやモデルによって外観や冷却性能が大きく変わります。今回は**16GB版(玄人志向モデル)と8GB版(MSIモデル)**を比較しました。
16GB版(玄人志向)
- デザイン
シンプルで標準的。LEDライトなどの派手さはなく、外観にこだわらない人向け。 - サイズ感
コンパクトで、やや小さめのケースにも収まりやすい設計。 - 冷却性能
ツインファン搭載で冷却は十分。バックプレートは熱を持つため、上に物を置くのはNG。 - 静音性
高負荷時にはファンがかなり目立つ音を出す傾向あり。静音性よりも冷却重視のチューニング。 - 補助電源
8ピン×1本。 - 保証期間
3年保証と長めで安心。
8GB版(MSI Inspireシリーズ)
- デザイン
従来のMSIらしいドラゴンロゴやRGBはなく、落ち着いた外観。厚みはあるがずんぐりとしたシルエットは好印象。 - 冷却性能
発熱自体が控えめなので、十分に冷やせる性能を持つ。 - 静音性
ファンノイズは“普通レベル”。突出して静かではないが、耳障りになるほどでもない。 - 補助電源
8ピン×1本。 - 保証期間
2年保証。
比較まとめ
- 静音性を重視するならMSI(8GB)>玄人志向(16GB)
- 長期的な保証や安心感なら玄人志向(16GB)>MSI(8GB)
- デザイン性は好みによる

ただし、見た目や冷却性能以上に差が出るのがVRAM容量によるゲーム性能の違いです。次の章では、実際のベンチマーク結果を詳しく見ていきましょう。
ベンチマーク性能比較
実際にRTX 5060 Tiをテスト環境に組み込み、複数のベンチマークを回してみました。比較対象は主に同世代のGeForceカードで、CPUやメモリはボトルネックにならないよう最新環境で揃えています。
3DMark(GPUの総合性能)
- Speed Way / Steel Nomad
スコアは RTX 4060 Ti以上、RTX 4070未満 という結果でした。
8GB版と16GB版の差はほとんどなく、純粋なGPU性能はほぼ同等です。
FF14ベンチマーク(定番MMORPG)
- フルHD〜WQHD
どちらのモデルも快適に動作。WQHDでも最高画質でスムーズにプレイ可能。 - 4K
さすがに重くなる場面があり、フレームレートが不安定になることも。
消費電力
- 公称TDPは180Wですが、実測値ではそれ以下に収まることが多く、平均150W前後で安定。
- 8GB版と16GB版で消費電力の差は小さいものの、16GB版のほうがわずかに高い傾向。
- 推奨電源は600Wで十分。
GPU温度
- 8GB版はやや低めの温度で安定。
- 16GB版も冷却性能は良好で、極端なケースでなければ問題なし。
ファンノイズ
- **16GB版(玄人志向)**は高負荷時にかなり耳につくファン音が出る傾向。
- **8GB版(MSI)**は標準的なレベルで、静音性は悪くない。

数値的な性能は 「8GB版=16GB版」 と言えるほど同等です。
しかし、この後紹介するゲーム検証では、VRAM容量の違いが結果を大きく左右することがわかりました。
VRAM容量で差が出るゲーム
RTX 5060 Tiの真価は、ベンチマークよりも実際のゲームプレイでこそハッキリと現れます。特に最新の大作ゲームでは、8GB版と16GB版の差が“致命的”になる場面が多く見られました。
モンスターハンター ワイルズ
- 8GB版
フルHD・ウルトラ画質(DLSS Quality、レイトレーシングON)でもベンチマークが最後まで完走せずクラッシュ。
画質を「高」に落とせば動作はするが、集会所ではカクつきがひどく快適とは言えない。 - 16GB版
一度もクラッシュせず安定動作。WQHDでも普通に快適に遊べ、4K最高画質でも平均60fpsには届かないが意外と動かせる。
👉 ここだけ見ても、8GB版は完全にVRAM不足で実用性に欠けることが分かります。
サイバーパンク2077
- 8GB版
フルHDやWQHDではRTX 4060 Tiよりも高いスコアを出す場面もあったが、4Kにすると性能がガクッと落ちる。
フレーム生成を試しても、WQHDでは元のfpsが低すぎて効果は薄い。 - 16GB版
WQHDはもちろん、4Kでも平均60fpsを超える場面が見られた。フレーム生成を活用すれば実用的な4Kプレイも可能。
黒神話:悟空
- 8GB版
WQHDまでは順調だが、4Kに切り替えると急激にfpsが低下。 - 16GB版
4Kでも一定の安定感を維持。フレーム生成を組み合わせれば十分遊べるレベル。
アサシンクリード シャドウズ
- 8GB版
VRAM不足が顕著で、WQHDでもRTX 4060 Ti以下のスコアに。
起動時にDLSS設定が消えるなど、不安定な挙動も確認。 - 16GB版
特に問題なく動作。VRAM容量の余裕が安定性に直結している印象。
スターウォーズ アウトローズ
- 8GB版
4Kではまともに操作できないレベルに。VRAM不足で頻繁にスタッターやカクつきが発生。 - 16GB版
普通にプレイ可能。高解像度でも一定のパフォーマンスを維持。
まとめ:重たいゲームでは差が歴然
- 8GB版は、最新ゲームの高画質・高解像度環境では動作不能レベルの制約が多い。
- 16GB版は、WQHDまでならほぼ快適。軽めのタイトルなら4Kでも楽しめる。
検証の結果、最新ゲームを快適に遊ぶなら16GB版一択です。購入するなら以下からチェックしてみてください。
- 玄人志向 NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 搭載 グラフィックボード GDDR7 16GB
- GIGABYTE NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 搭載 グラフィックボード GDDR7 8GB(※軽いゲーム専用なら可)

つまり、最新の大作ゲームを遊びたい人にとって、8GB版は選んではいけないグラボと言えます。
VRAM差が少ないゲーム・用途
すべてのゲームでVRAM容量の差が出るわけではありません。比較的軽いタイトルや最適化が進んだゲームでは、8GB版と16GB版の性能差はほとんど見られませんでした。
フォートナイト
- フルHD・DirectX 12最高設定では、VRAMの消費が少なく両モデルともほぼ同じfps。
- 競技設定(パフォーマンスモード)ではグラフィック負荷がさらに軽いため、どちらも非常に高いフレームレートを記録。
エーペックスレジェンズ
- フルHD最高画質で240fps以上を安定して叩き出し、VRAM消費も抑えめ。
- 8GB版でもまったく問題なく快適プレイ可能。
ヴァロラント
- グラフィックが軽量なため、VRAMはほとんど使用せず。
- フルHD環境で、CPU依存が強いためGPU差はほぼゼロ。
マーベルライバルズ
- フルHD最高画質で比較しても、8GB版と16GB版にほぼ差なし。
- フレーム生成をオフにしても大差はなく、軽量ゲームではVRAM差は無視できるレベル。
タルコフ(Escape from Tarkov)
- 両モデルともにプレイ可能で、16GB版ではVRAM消費が激しい場面もあるがfpsは伸びず。
- 8GB版もVRAMをギリギリ使い切りつつ、そこそこのフレームレートを維持。
クリエイティブ用途
ゲーム以外の用途では、8GB版と16GB版の差は小さめです。
- Photoshop / Premiere Pro / Blender:スコアはほぼ同等。
- Stable Diffusion(画像生成):標準的な画像サイズなら両者に大きな差なし。ただし、解像度を大きくすると4000シリーズの方が有利。
まとめ:軽めの用途なら8GBでも十分
- フォートナイト・ヴァロラント・APEXのような軽量FPS
- クリエイティブ用途(動画編集・画像編集)

これらのケースでは8GB版でも快適に使えます。
ただし、「軽いゲームしかやらない」ことが前提であり、将来性や重いゲームを考慮するとやはり16GB版に軍配が上がります。
総合評価とおすすめ
RTX 5060 Tiは、数値上のスペックやベンチマークだけを見ると「8GB版も16GB版もほとんど同じ性能」に見えます。ですが、実際のゲームを動かしてみると、その印象は一変します。
16GB版の評価
- メリット
- 最新ゲームでも安定して動作
- WQHDまでならほぼすべてのタイトルを快適にプレイ可能
- 軽いゲームなら4Kも実用範囲
- VRAM不足によるクラッシュやカクつきがほぼ皆無
- 消費電力・発熱は常識的な範囲に収まる
- 注意点
- 高負荷時のファン音は目立つ。静音重視ならトリプルファン搭載モデルを選びたい
結論として、RTX 5060 Tiの本来の性能を活かせるのは16GB版のみと言って差し支えありません。
8GB版の評価
- メリット
- フルHDで軽量FPSを遊ぶなら問題なし
- 消費電力・温度が低めで扱いやすい
- デメリット
- 重たいゲームでのVRAM不足が深刻
- フルHD最高画質でもクラッシュやカクつきが発生するタイトルあり
- WQHD以上では実用性が大きく落ちる
- 価格差が小さいのに性能差は大きすぎる
つまり「フォートナイトやAPEXしかやらない!」という割り切った人向けです。しかし7万円超という価格帯でその用途なら、RTX 4060でも十分なため、コスト的な魅力は薄いです。
おすすめの結論
- 長期的に安心して使いたい → 16GB版一択
- とにかく安くて軽いゲーム専用 → 8GB版でも可(ただしおすすめしない)
- 玄人志向 NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 搭載 グラフィックボード GDDR7 16GB
- GIGABYTE NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 搭載 グラフィックボード GDDR7 8GB

グラフィックボードはPCの中でも寿命が長く、買い替えの頻度が少ないパーツです。だからこそ、数千円の差で後悔しない選択ができる16GB版を強く推奨します。
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よくある質問(FAQ)
- QRTX 5060 Ti 8GB版でもフルHDなら問題なく遊べますか?
- A
はい、フォートナイトやAPEX、ヴァロラントなど軽めのゲームであれば快適にプレイできます。ただし、モンスターハンターやサイバーパンクなどの重たいゲームは、フルHDでも最高画質だとクラッシュやカクつきが起きる可能性があります。長く使う予定なら16GB版を選ぶのがおすすめです。
- QRTX 4060 Tiから5060 Tiに買い替える価値はありますか?
- A
ベンチマーク上の伸びはそこまで大きくありません。ですが、VRAMが16GBになったモデルは4KやWQHD環境での安定性が格段に向上しています。4060 Ti(8GB)でVRAM不足に悩んでいるなら、5060 Ti 16GB版に買い替える価値は十分にあります。
- QBTOで購入するときに、8GB版を間違って選ばない方法は?
- A
BTOショップでは構成表に「VRAM 8GB / 16GB」と明記されています。購入前に必ず仕様欄をチェックしましょう。もし不安なら、カスタマイズが自由なBTO専門店(例:サイコムやFRONTIER)で確認すると安心です。サポートに問い合わせれば、希望するモデルを確実に選べます。
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