はじめに
「ゲームの動きがカクついて集中できない…」
「設定を下げてもFPSが安定しないし、グラボの買い替えは正直きつい…」
そんな悩みを抱えているPCゲーマーの間で注目されているのが、**Lossless Scaling(ロスレス スケーリング)**です。
Lossless Scalingは、画面スケーリングとフレーム補間を組み合わせることで、実際の描画負荷を抑えつつ、見た目の滑らかさを向上させるツールです。対応環境では、設定次第でFPSの体感が大きく改善するケースもあり、特にミドル〜ローエンドGPUや携帯ゲーミングPCとの相性が良いことで知られています。
ただし、「入れただけで誰でもFPSが倍増する」という魔法のツールではありません。
ゲーム側の設定・Lossless Scalingの各オプション・フレームレート制御を正しく組み合わせないと、逆に遅延が増えたり、効果を感じにくいこともあります。
そこで本記事では、
- ゲーム側で事前に調整すべき設定
- Lossless Scalingで押さえるべき最適設定
- RTSSなど外部ツールと併用する際の考え方
といったポイントを整理し、**「どんな環境で、どう設定すれば効果を得やすいのか」**を中心に解説していきます。
Lossless Scalingを初めて使う人はもちろん、
「設定はしているけど、正直あまり効果を感じない…」という人にも役立つ内容になっています。
快適なゲーム環境を作るために、ぜひ最後までチェックしてみてください。
Lossless Scalingの仕組みと特徴
Lossless Scaling(ロスレス スケーリング)は、名前のとおり画質をできる限り保ったままフレームレートを引き上げる技術です。
ここでは「どうしてFPSが増えるのか」「他の技術と何が違うのか」を整理してみましょう。
🔹 フレーム生成とは?
ゲーム画面は、毎秒60枚・120枚といった静止画の連続で成り立っています。
例えば60FPSのゲームなら、1秒間に60枚の画像を表示しているわけです。
Lossless Scalingは、この「60枚の間にもう1枚をAIで補完」することで、
- 60FPS → 120FPS
- 90FPS → 180FPS
のように、見た目上のフレーム数を増やすことができます。
🔹 他の技術(DLSSやFSR)との違い
NVIDIAのDLSSやAMDのFSRにもフレーム生成機能はありますが、これらは特定のGPUやゲームに対応していないと使えないのが弱点です。
一方、Lossless Scalingは…
- GPU非依存(NVIDIAでもAMDでもOK)
- ゲーム非依存(ほぼ全てのPCゲームで動作)
- シンプルに導入可能(Steamからアプリをインストールするだけ)
という大きなメリットがあります。つまり、**「古いGPUでも、最新ゲームでも、とりあえず試せる」**のが強みなんです。
🔹 最大で4倍のFPS向上
通常のフレーム生成は2倍が基本ですが、Lossless Scalingは最大4倍まで拡張可能です。
例えば30FPSしか出ないゲームを120FPSに変えることも理論上は可能。
ただし、元のFPSが不安定だとカクつきや遅延が目立つので、土台となるFPSが安定しているほど効果が大きいと考えてください。

ここまでで「Lossless Scalingがなぜ注目されているのか」がイメージできたと思います。
次は実際にゲームを動かすときに欠かせない 「ゲーム側の設定」 の解説に進めましょう。
ゲーム側の設定
Lossless Scalingを効果的に使うためには、まずゲーム内の設定を最適化することが大切です。ここを間違えると、せっかくのフレーム生成機能が十分に働かないこともあります。
🔹 画面モードの選択
Lossless Scalingは**排他的フルスクリーンモード(Exclusive Fullscreen)**には対応していません。
そのため、必ず以下のどちらかを選びましょう。
- ウィンドウモード
- ボーダーレスウィンドウモード
ゲームによって表記が違う場合がありますが、ポイントは「画面をWindowsが管理している状態にすること」です。これを忘れるとLossless Scalingが起動してもフレーム生成されません。
🔹 モーションブラーをオフにする
モーションブラー(動きの残像を付ける演出)は、フレーム生成の大敵です。
ブラーがかかった状態のフレームを元にすると、AIが正しい補間を行えず、映像がにじんだり違和感のある表示になることがあります。
→ 必ずオフに設定しましょう。
🔹 Vシンク(垂直同期)の設定
通常はVシンクをオフにすると「テアリング(画面がズレる現象)」が起きやすいですが、Lossless Scalingではキャプチャの仕組み上テアリングが出にくい特性があります。
そのため、Vシンクはオフにするのがベストです。遅延も減らせて一石二鳥です。
🔹 ゲーム内のフレーム生成機能(DLSS/FSRなど)
最近のゲームにはNVIDIA DLSS 3やAMD FSR 3など、独自のフレーム生成機能が搭載されている場合があります。
ただし、Lossless Scalingと併用すると…
- 遅延が増える
- フレームのズレやカクつきが発生する
といった問題が起こりやすいです。
最初はゲーム内のフレーム生成はオフにしてLossless Scalingだけを使うのがおすすめ。慣れてきたら環境によって併用を試すのもアリです。

ここまでで「ゲーム内設定をどうすればLossless Scalingが動きやすいか」が整理できました。
次は実際にアプリのUI画面で調整する 「Lossless ScalingのUI設定」 の部分に進みましょう。
Lossless ScalingのUI設定
ゲーム内の準備が整ったら、いよいよLossless Scaling本体の設定に入ります。ここをしっかり最適化することで、安定したフレーム生成と快適なプレイ体験が得られます。
🔹 管理者権限での起動
必須ではありませんが、管理者権限で実行にチェックを入れておくとトラブルが起きにくくなります。特に録画ソフト(OBSなど)と併用する場合は必須です。
🔹 Windows起動時に最小化で起動
Lossless Scalingを頻繁に使う予定なら、この項目にチェック。PCを立ち上げると自動的にバックグラウンドで起動し、手動で立ち上げる手間を省けます。
🔹 ゲームごとのプロファイル作成
ゲームごとに個別設定を保存できる機能です。
- 「フィルター」にゲームの実行ファイルを登録
- 「自動拡大」にチェック
これで、ゲーム起動時にLossless Scalingが自動適用されます。一度設定すれば、次からは意識せずに使えるのでおすすめです。
🔹 LSFGのバージョン
基本的に最新バージョンを選択しましょう。バグ修正や性能改善が反映されているので、古いバージョンを使う理由はほとんどありません。
🔹 モード(倍率指定)
ここでフレーム生成の倍率を指定します。
- 2倍(60FPS → 120FPS)
- 3倍(30FPS → 90FPS)
- 最大4倍(30FPS → 120FPS)
※元のFPSが低すぎるとカクつくので、まずは2倍から試すのがおすすめです。
🔹 パフォーマンスモード
チェックを入れると少し画質を犠牲にして負荷を軽減できます。グラボ性能に余裕がないときは有効にすると安定度が上がります。
🔹 シンクモード
表示のタイミングを制御する重要な設定です。
- オフ(Allow Tearing):遅延は最小、ただし画面ズレの可能性あり
- デフォルト:テアリングなし、遅延と安定性のバランス良好
- Vシンク:最も安定するが、遅延が大きい
→ 基本はデフォルトでOK。遅延を最小化したい人は「オフ」を試すと良いでしょう。
🔹 マックスフレームレイテンシー
この値は「フレームをどれだけ貯めるか」を指定します。
- 小さいほど遅延が減るがカクつきやすい
- 大きいほど安定するが遅延が増える
開発者の推奨値は
- GeForce:1
- Radeon:3
です。迷ったらこの数値でOK。
🔹 HDR対応
HDR環境のゲームに使う場合はオン。ただし負荷が上がるので、必要なときだけ有効にしましょう。
🔹 G-SYNCサポート
G-SYNC対応モニターを持っているなら、ぜひオンに。シンクモードで発生するテアリングやカクつきが大幅に減ります。
🔹 キャプチャAPI
ゲーム映像をどう取得するかの設定です。
- DXGI:最優先。最も安定して高性能
- WGC:DXGIが不安定なときに使う
- GDI:古いゲーム用の互換モード
→ 基本はDXGI固定でOKです。
🔹 マルチディスプレイモード
複数モニターを使っている人向け。ゲームからフォーカスが外れてもLossless Scalingを維持できます。Discordやブラウザを横で開きたい人に便利です。

ここまででアプリ側の基本設定が揃いました。
次はさらに安定化と快適さを求める人のために、RTSSなど外部ツールとの連携方法を解説していきます。
外部ツールの設定
Lossless Scaling単体でも十分効果はありますが、RTSS(Rivatuner Statistics Server)やグラフィックドライバの機能と組み合わせると、さらに安定したフレーム生成や遅延削減が可能になります。
🔹 オーバーレイ表示は基本オフにする
グラフィックドライバや録画ソフトのオーバーレイ機能は、Lossless Scalingと干渉して不具合を起こす場合があります。
- GPUドライバのFPS表示
- SteamやDiscordのオーバーレイ
こうしたものは原則オフにしておくのが無難です。
ただし、RTSSのオーバーレイ表示だけは例外。これはゲーム映像に直接描画される方式なので、FPS表示用に使えます。
🔹 RTSSでのプロファイル作成
RTSSを導入している場合は、Lossless Scaling専用のプロファイルを作成しましょう。
理由は、グローバル設定のフレームリミットがLossless Scalingの動作を妨げることがあるからです。
- RTSSの「Application profile properties」にLossless Scalingを追加
- フレームリミットを「未設定」にする
これでフレーム生成が制限されず、Lossless Scaling本来の効果を発揮できます。
🔹 遅延を最小限にする方法
Lossless Scalingは「フレーム生成による見かけのFPS増加」なので、遅延が気になる人もいます。そこで外部ツールの出番です。
- NVIDIA GeForceユーザー
RTSSの設定で「Enable Frame Rate Limiter」をNVIDIA Reflexに変更しましょう。これでゲーム側に関係なくReflexが有効化され、遅延が大幅に軽減されます。 - AMD Radeonユーザー
Adrenalinソフトの設定からRadeon Anti-Lagをオンに。これも入力遅延を減らす効果があります。
どちらの機能も、**「マウスを動かした瞬間に画面が反応する」**感覚を強めてくれるので、特にFPSゲームでは必須級です。

ここまでの設定を組み合わせることで、Lossless Scalingの効果を最大限に引き出せます。
よくあるトラブルと解決方法
Lossless Scalingは便利ですが、初めて使うときに「思ったように動かない」「画面がカクつく」といったトラブルに出くわすこともあります。ここでは代表的な症状と対策を整理しました。
🔹 フレームレートが全然上がらない
原因の多くはRTSSや他ツールの設定干渉です。
- RTSSのグローバル設定でフレームリミットがかかっていないか確認
- Lossless Scaling専用のプロファイルを作成し、フレームリミットを解除
👉 これで本来のフレーム生成が動くようになります。
🔹 画面がカクつく・コマ落ちする
キャプチャAPIの設定を見直しましょう。
- DXGI → 最優先(基本これで安定)
- WGC → DXGIが不安定なときに代替
- GDI → 古いゲーム用の最終手段
👉 特にDXGIで解決することが多いので、まずはここをチェック。
🔹 遅延が気になる
フレーム生成は「見た目を増やす」仕組みのため、入力遅延が気になる場合があります。
- シンクモードを「デフォルト」または「オフ」に変更
- NVIDIA ReflexやRadeon Anti-Lagを併用
- マックスフレームレイテンシーを小さめに設定(GeForceなら1)
👉 これで「カクつきはないけど動きがもたつく」という不満を減らせます。
🔹 OBSで録画したら映像が乱れる
録画ソフトは管理者権限でLossless Scalingを起動していないと、映像が正常にキャプチャされないことがあります。
→ Lossless Scalingを「管理者権限で実行」にしてからOBSを使いましょう。
🔹 G-SYNCやFreeSyncが効いていない
設定画面で「G-SYNCサポート」にチェックを入れるのを忘れていないか確認しましょう。
対応モニターを使っていれば、シンクモードの問題(テアリング・カクつき)はほぼ解決できます。
まとめ
Lossless Scalingは、AIによるフレーム生成を利用してFPSを最大4倍まで引き上げられる強力なツールです。
対応するGPUやゲームを選ばずに使えるため、今あるPC環境を活かしてゲーム体験を大きく向上させられるのが最大の魅力です。
本記事では、
- ゲーム側の設定(ウィンドウモード必須・モーションブラーオフ・Vシンク無効化など)
- Lossless Scalingアプリ側の設定(DXGI推奨・レイテンシー設定・シンクモード調整など)
- RTSSや外部ツールとの組み合わせ(NVIDIA Reflex / Radeon Anti-Lagで遅延軽減)
といったポイントを一つずつ整理して解説しました。
導入時は少し設定が多くて戸惑うかもしれませんが、一度環境を整えてしまえば、**「今までカクカクで諦めていたゲームが快適に遊べる」**という体験が待っています。
新しいグラボを買う前に、まずはLossless Scalingを試してみるのもアリです。数百円の投資で、あなたのゲームライフが大きく変わるかもしれません。
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よくある質問(FAQ)
- QLossless Scalingは無料で使えますか?
- A
基本的には有料アプリ(数百円程度)としてSteamで販売されています。ただしセール対象になることも多いので、気軽に試せる価格帯です。
- Qフレーム生成で画質が悪くなることはありますか?
- A
通常の設定では画質劣化はほとんど目立ちません。ただし「パフォーマンスモード」を有効にすると、負荷が軽くなる代わりに多少のブレや滲みが出ることがあります。映像美を重視するならオフのままがおすすめです。
- Q低スペックPCでも効果はありますか?
- A
はい、効果はあります。ただし元のFPSが安定していることが前提です。例えば30FPSがギリギリ出ているような重いゲームをいきなり120FPSにしても、映像がカクつきやすくなります。
→ まずは「60FPS → 120FPS」といったケースで試すと違いを体感しやすいです。







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